実は、星の子と幻影とは本来意思の疎通が図れないんだ。
一部の個体は会話しているように見えるけど、あれをコミュニケーションとは呼ばない。「一方的な意志の押し付け」をしてるだけさ。
ちょっと独善的なんだ、彼らは。
では上記を念頭において…会話ができない幻影とは、どういう状態なのか。
「何も押し付けていない」のさ。
この物を言わぬ小さな彼はほかの幻影のような「一方的な意志」を持たず、とある星の子の幸せと永遠だけをひたすら一途に願い続けているんだ。
だから、幻影として発せる言葉が殆ど無くなってしまって、遂には声を失くしてしまったというわけ。
皮肉なものだね。
なんというか…"そういうふう"に上手くできてないのさ、幻影ってやつは。
(伝道師のファンタズマ)