20XX年、日本のどこか。
海を望む小高い丘の上に建てられた私立学園。校舎は真新しく、耐震工事もばっちり済んでいる。丘の上に建っている校舎を目指すには、傾斜が急な長い上り坂は避けて通れない。しかし言い換えれば、これが下校時には下り坂になる。琉晴学園の生徒の間ではその傾斜を表して「心臓破りの坂」などと呼ばれている。
琉晴学園は陸上の名門校として名の知れた高校であるが、この坂が生徒の肺活トレーニングに一躍買っているのではないか、とまことしやかに囁かれている。(無機物少女(1) 2話より)
都市郊外の扇状地に、比較的閑静な町が広がっている。電車やバスなど、各種インフラも整備されている、住みやすい町(住民談)。
また、町を両断するように海まで注ぐ大きな川が走っており、川の氾濫を防ぐために河口まで広範囲にわたって土手が設けられている。土手に走るサイクリングロードは、登下校の道のりをショートカットしようとする学生やペットの散歩に勤しむ大人、談笑する老人で日中を通して賑わっている。
琉晴学園と同じく、陸上の名門校として知られる公立高校。琉晴学園の隣の市に位置する。公立らしく、どことなく生徒の思考が泥臭い。住宅街の真ん中にこぢんまりと建っており、生徒は騒音など問題を起こさないようにと躍起になっている。
琉晴近郊と比べ、昔ながらの商店街や団地が多く、若干騒がしい町。世帯数および子供の数が多いせいか、自治体によって設けられた公園が多数、あちこちに点在している。
公園には子供のほか、トレーニングに勤しむ灼鷹生がランニングに訪れることもある。
ムツキコーポレーション(株)が企画・開発した、MMORPG(大規模多人数参加型オンラインRPG)。
インターネット上でアバターを介してリアルタイムにチャットを行いながら、サーバーに用意された様々なエリア…架空の惑星を駆け巡り、時に現れるモンスターをユーザー同士で協力して倒したり、時にユーザー同士で戦闘を行ったり、その他ユーザー全体に課されるタイムアタックなどの課題に挑戦するなど、比較的自由度の高いオンラインゲームである。(無機物少女(1) 8話より)
※プレーヤー:六刻冬也、碓井知生、黄月明里