ヒカリかた

ええ、ああ、おい、全くもって信じられん。

何日経ったかも分からない、気の遠くなるような対話の果てに、おれは遂に一つの境地に達したのだ。
あの星どもは、石を撒いたときの「ヒカリかた」が違うのだ!

いや、おれが信じられないのはこんな些細なことじゃあない、
やっぱりあの毛録じじいが言うとおり、やつらには二本足が生えている!

おれはあの書面を信じちゃいなかった、あすてる、とか、星は実は美しい少年だったとかなんとか、あれは完全にいかれちまったじじいの戯言だと信じていた。

だがあの日おれが「ヒカリかた」を完璧に理解して、おまえに、おまえだけに石を当てるのだ、と狙いを定めたとき、星はすでに二本足の姿になっていたんだ。
間違いなくあいつはおれに言ったよ、
「あんたはようやく俺を隅々まで理解して、俺の世界に降りてきた。褒めてあげる。癪だけどね」
なんてな、偉そうに、つんとした顔でな、全く、信じられんよ。

でも、なんだ、あれはあいつの精一杯の褒め言葉だったのかと思うとな、
今まで散々揶揄われてきたけれど、不思議と良い気分なんだ。
明日もあいつのところまで行ってみようかなあ。

(宝石撒きのファンタズマ)

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